【Die革命】もうすぐ不死の時代がやってきます。

今回はもうすぐ不死の時代がやってきます。
先日、奥真也さんが書かれたDie革命という本を読みました。
すごいですよね。帯にはもうすぐ死は死語になるって書いてあるんですよ。
どんな本か気になりませんか。平積みされているこの本を見つけるや否や手に取ってしまいました。
この本には、医療の現状と近い将来訪れるであろう医療の完成時代について書かれています
著者の奥さんは東京大学医学部付属病院での放射線科で臨床医として長年勤務してきました。現在は病院ではなく医療ビジネスに携わっています。
奥さんは現在にいたるまで、病院だけでなく、大学の研究室や、海外の研究所、製薬会社、医療機器会社などさまざまな医療業界を渡り歩いてきたそうです。
そんな医療業界を網羅的に見てきた奥さんが書いたこの本は、今後の医療業界をかなりの精度で予測できているのではないでしょうか。

人は病気によって死なない時代がきます

まず不死時代とは何かというと、文字通り死なない時代が来るということです。
ここまで言い切ってしまうと語弊がありますが、今後、人は病気によって死ぬことは無くなるそうです。
医療の進歩は目覚ましく、がんなどの難病も克服できる時代がやってきます。
がんを例にとると、長らくがん治療が進展してこなかった理由にがんの多様性があります。
極端な言い方をすれば患者の数だけがんの様相があり、医療の常とう手段である標準的な治療方法を当てはめるということができませんでした。
21世紀入り分子標的薬という薬のジャンルが確立し、個別のがん種に対応できるようになってきました。
分子標的薬とは病気に特有の分子の科学的構造に対して攻撃や制御をするといった薬のことです。
加えて最近ではチェックポイント阻害剤という新薬の開発も進んでいます。
チェックポイント阻害剤とは、今までがんにはだんまりだった免疫力を覚醒させて、がんに対抗させるという治療方法です。
小野薬品がオプジーボという薬を開発して話題になりましたね。
このように治療方法の研究が進みやがてがんによる死亡を完封できる時代が到来しようとしています。

AIは医療現場も変えていく

また、今後の医療現場を変えていくキーワードを一つ紹介するとやはりAIですね。
驚く人もいるかもしれませんが、大なり小なりお医者さんにも誤診があります。
神経内科学を確立したことで知られる沖中重雄先生は大学退官時の講義で自身の誤診率を発表したそうです。
それは14.2%でした。
誤診であると確認できないケース存在することからこの数字以上に誤診は発生していると考えられます。
高名な先生ですらこれぐらいの誤診をしてしまうということです。
判断するとなればAIの専売特許です
AIなら患者の症状を細かく聞き出し、病気のデータベースに照会すことで正確な診断ができます。
医師ならば人生で一回経験するかどうかの病気であっても、AIなら先入観を持たずに診断できるというわけです。
これからは診断・問診が代替されていくことになるでしょう。
専門的な医療分野ではすでにAIを用いた取り組みが始まっています。
早い段階で代替が進みそうなのはMRIやCTといった画像診断です。
画像診断もAIの得意分野ですね。
優秀な診断医と凡庸な診断医とでは力量差が月とスッポン以上だそうです。
診断した医者によって重大な病気を見逃さないためにもAIによる画像診断を実現していただきたいです。

対処が難しい病気のラスボスたち

今までいい話を紹介してきましたが、悪い話も紹介しましょう。
医療完成時代が近付きつつありますがまだラスボスたちが残ってます。
それは
1.発見・アプローチが難しい病気
2.症例が圧倒的に少ない病気
3.急死
です。
1つ目は文字通り発見が困難な病気、発見できたとしても手術でアプローチが難しい病気です
すい臓がんや胆管がんがこの範疇に入ります。
すい臓は胃の後ろにあり、十二指腸に囲まれています。胆管は肝臓の中にあり四方に枝を伸ばしています。
どちらも複雑に入り組んでおり、がんになったとしてもCTや超音波検査を用いても発見がしづらいです。
2つ目の症例が少ない病気は研究が後に回されがちというシビアな問題があります。
社会的に関心が低い病気は公的資金が投入されることはほとんどありません。
仮に研究費がもらえたとしても、ある程度の患者を治療し、統計的な分析をする必要があるため、症例が少ないということは足かせになります。
3つ目は急に病気を発症し思わぬ早さで導かれる死のことです。
急死を引き起こす代表的な病気は大動脈解離です。
大動脈の膜がはがれてしまう病気で、下手したら病院内で発症しても間に合わないことがあります。
ほかにもくも膜下出血や急性心筋梗塞などはいまだに急死を防ぐのは難しいとされています。

病気が治るようになっても肉体には限界がある

不死時代と言いつつも実際は病気で死ななくなるということです。
やはり体自体はどんどん劣化していきます。
いくつまで人間の体は持つのかというと、120歳だそうです。
ニューヨークのアルバートアインシュタイン大学がネイチャー紙に論文を発表しました。
これはあくまで「人間は理論的には120歳まで生きてもおかしくはない」ということであり、寿命が120歳に伸びるということではありません。
今後120歳まで生きたという人が現れてくるんでしょうね。
体が劣化するのであれば交換していけばいいという発想になりますよね。
徐々に臓器の代替についても研究が進んでいます。
脳の代替は可能かという検討がされています。
これを考えるうえで避けて通れないのが哲学的命題です。
完璧な代替脳ができたとして、今の脳が不要になったら、その人は私たち自身といえるでしょうか。
非常に興味深い命題ですが、この話までしだすと収拾がつきそうにないのでまたの機会にしたいと思います。
ips技術で神経細胞を作成できる段階まで来ているので脳を作れる日も来るのではないでしょうか。

まとめ

ここまで不死時代について本の内容の一部を紹介してきました。
私が思うに、ますます格差が広がるようになるのではないかと危惧している部分もあります。
近い将来医療が完成したとしてそんな先進医療を受けることができる人が一体どれくらいいるのだろうかということです。
冒頭に紹介したオプジーボを用いた治療を受けるには現在約1100万かかるそうです。
命には代えられないというのもわかりますが、やはり高額であることに違いはありません。
これから先進医療が受けられる制度の確立やそれに対応した保険が充実してくることを期待していますし、私たち自身、こういう環境が整ってくるまで自分の健康を保ち続ける必要もありますね。
また、人生が長くなったからこそどう生きるかが重要になってきます。
人生が長くなってしまったせいでどう生きるべきかわからなくなる、目標を失うといった状態にならにようにしてください。
著者はこの状態をリビングデッドと呼んでいます。
せっかく伸びた人生を存分に謳歌するためにも、どう生きるかを常に考えていただきたいと思います。
今回は不死時代をテーマに奥さんが執筆されたDie革命という本を紹介しました。
取り上げた内容は一部でしかありません。
もっと興味深いこともたくさん書いてあるので、興味を持った方は書籍を購入してみてください。

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