FRBが6月15日、16日の二日間の日程で
金利を決めよう委員会(FOMC)を開催しました。
FRBは昨年から始めた大規模な金融緩和を
少なくとも2023年まで維持するとしているわけですが、
雇用の安定、インフレ上昇が続けば早期にテーパリングや利上げが始まります。
そして今回のFOMCでは
2023年までに2回の利上げが行われる
というのがメンバーの平均的な意見であることがわかりました。
インフレ上昇で早期利上げ懸念
5月に発表された消費者物価指数は予想を大きく上回る数字でした。
また、6月に発表された消費者物価指数は予想通りだったものの、
依然高い数字であることに変わりなく、インフレが進んでいることがわかります。
たった1、2か月インフレが上昇してもこれは一時的とみなされるわけですが、
7月に発表される消費者物価指数も高いとなると
いよいよテーパリングや利上げについて議論が始まるでしょう。
一方で、雇用環境の改善は鈍くなっています。
失業率は低下していますが、これは労働参加者が減っているためです。
コロナで職を失った人々がまだ新たに職探しをしていないので
失業率の計算には含まれていないのです。
FRBは雇用の安定もミッションの一つですから、
早期に利上げをして景気が冷え込んでしまえば失業率の悪化は免れません。
利上げには慎重にならざるを得ないでしょう。
そうはいっても相場は期待で動いているわけですから、
利上げが始まりそうという期待で株を売っている人たちが出てきているわけです。
利上げすると株価は下がる
今の株高は大規模な金融緩和によってじゃぶじゃぶにあふれたお金が
市場に流れ込んで生じた金融相場です。
なので、今後テーパリングや利上げによってマネーサプライが減少すると
株価の上昇は抑制されます。
そうなってくると投資家は利益を残したいわけですから、
利確して市場から資金を引き揚げます。
これが連鎖的に起こり金融相場は終焉を迎えます。
したがって、利上げは株価下落のリスクとなるわけですが、
過度に悲観することはないでしょう。
相場のサイクルでいうとこの後は業績相場となり、
企業の決算に支えられ再び株価は上昇します。
悪い方向のイメージも持っておくこと
そうはいっても、人の思惑通り動かないのが相場です。
常に悪い方向も考えておきましょう。
SP500の週足チャートを見ると、
昨年の大暴落から現在に至るまで一本調子で上昇していることがわかります。
コロナ以前は50週移動平均線(黄線)を挟んで徐々に上昇していましたが、
今は大きく乖離していますね。
もし、現在の価格から50週移動平均線まで下落すると約12%の下落幅となります。
これくらいであればあながち起きてもおかしくない下落幅ですね。
資産が12%も目減りしてしまうのはストレスですが、
想定しておけば幾分ストレスは和らぎます。
まだ投資を始めていなかった人は始めるチャンス
今は高すぎると思って投資を始められていない人は
今回が絶好のチャンスかもしれません。
まだ証券口座を持っていないという方は準備をしておきましょう。
使いやすいので楽天証券がおススメです。
もちろん、調整がいつ始まって、いつ終わるのかなんて予測しようもないですから
投資を始めてすぐに含み益になってくれるなんて思わないほうがいいです。
継続的に投資ができる経済状況であるなら、定期的に買い増しておけば
次の上昇局面で株高の恩恵に与ることができます。
短期的に儲けたいと思ってしまうのは人の性ですが、
我慢して積み立て投資を続けましょう。
初心者が大儲けできるほど相場は甘くないです。
最期に
今まで利上げが示唆されてこなかったので、
今回のFOMCの利上げ観測が高まったことは市場にとってサプライズなったと思われます。
具体的にどんなことが話し合われたのかは7月初旬くらいに議事録が発表されるので
それを待ちましょう。
また、この時には雇用統計も発表されますから、
議事録と実体経済の両方を見ることで市場の行方を想像できそうです。
私は短期的に下げる場面は割安で投資できるチャンスだと思っています。
コロナショックの二番底で投資しようとしていた現金がまだあるので
この機に投じていきたいと思っています。
一方で、年単位に及ぶ調整になると私も不安です。
私自身、まだ長期的に下落が続く相場を経験したことがありません。
米中貿易戦争もコロナショックも短期的には大きく下げたものの
一年も経たないうちに高値を更新しました。
なので、株価下落のストレスに長期間悩まされたりしませんでした。
長期低迷しないことを祈りつつも、資産の防衛について考えていかないといけませんね。
毎週、YouTubeに運用報告を投稿しています。
先週に比べ資産が結構目減りしてしまいました。