9/14にアメリカの消費者物価指数(CPI)が発表されました。
予想通りの前年同月比5.3%ということで、
未だにインフレ基調は続いていることがわかります。
過去を振り返ると9月はパフォーマンスが悪いことから、
来週のFOMCでテーパリングの開始についてアナウンスがあると
株価急落の引き金になりかねない状況です。
テーパリングとは
テーパリングとは量的緩和縮小に向けたプロセスで、
毎月の資産購入価格を段階的に減少させていくことです。
米連邦準備制度理事会(FRB)はコロナ禍によって大打撃を受けた金融市場を
下支えするために毎月800億ドルの米国債と
400億ドルの住宅ローン担保証券を購入しています。
もし、急に量的緩和を終了して金利を上げてしまうと
金融市場は再びショックに見舞われてしまいますから、
徐々に利上げに向けて準備をしていこうということですね。
要するに経済のリハビリ期間です。
テーパリングで株価は下落する
テーパリングが始まると理論的には株価は下落します。
もともとFRBが債権を購入することで、市場に膨大に米ドルが供給され
行き場の失った米ドルが株などに流れ資産価格を押し上げました。
通貨の供給過剰により、今の金融相場成り立っているということです。
しかし、テーパリングが開始されると
市場に供給される米ドルが少なくなるわけですから、
通貨の価値が上がり、株の価値が下がるということになります。
とはいえ、必ずしも株価が下がるということではありません。
市場がしっかりテーパリングについて織り込むことができていれば
相場への影響は少ないでしょう。
相場はテーパリングに対して楽観的
ただ、残念ながら現在の相場はテーパリングを織り込んでいるようには思えません。
5カ月連続で消費者物価指数が高い水準で推移していますが、
相変わらずFRBはインフレは一時的と説明していますし、
8月の非農業部門雇用者数は予想75万人を大きく下回る23.5万人にとどまったことから
投資家心理は楽観的に感じます。
すでに欧州中央銀行(ECB)がテーパリングの議論を開始していることから
近々、FRBもテーパリングについて議論が始まるはずです。
9月のFOMCは要注意
次の連邦公開市場委員会(FOMC) が9/21-22に開催されます。
おそらくここでテーパリングの開始時期についてアナウンスがあるでしょう。
9月開始とまではいかないものの、遅くとも11月にはテーパリングを始めるのではないでしょうか。
市場がまだテーパリングを織り込んでいなさそうなので
FOMCが終わるまでは短期的なポジションを持つのは危険かもしれません。
→米金融当局は11月にテーパリング発表、23年に利上げ開始か-最新調査(Bloomberg)
9月は歴史的にパフォーマンスが悪い
ある画像をSNSで見つけました。
これは1980年から2018年までの38年間の
各月の平均リターンを表したグラフです。
このグラフから8月、9月はパフォーマンスが悪いことがわかります。
必ずしも株価が下落するわけではありませんが、
FOMCの発表が引き金となる可能性はあり得るシナリオです。
今は軽率なトレードは控え、成り行きを見守るのが賢明です。
金融バブル崩壊か
FRBの量的緩和によって下支えされてきた今の金融相場は
テーパリング→利上げで金融バブルは終了となるでしょう。
しかし、過度に悲観する必要はありません。
金融相場の次には業績相場がやってきます。
これが経済のサイクルです。
グロース株からバリュー株へのシフトはあるかもしれませんが
インデックス投資でSP500や全米株へ投資しているのであれば
ポジション整理などもする必要はないと思います。
継続的に買い増せるように入金力を高めておきましょう。
最後に
デルタ株の感染拡大により、雇用の回復は遅れているものの
明らかにインフレしています。
テーパリングが始まるのも時間の問題なので、
心の準備をしておきましょう。
まずは9/21-22に開催されるFOMCの発表に注目です。
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